加藤未唯選手が全仏女子ダブルスで失格になった経緯を動画や各方面からのコメントを交えて、わかりやすくお伝えしています。
全仏加藤未唯選手失格なぜ？
6月4日、テニスの四大大会の1つである全仏オープンの女子ダブルス3回戦で、加藤未唯選手とインドネシアの選手、アーディラ・スーチャディ選手のペアはチェコのマリー・ボスコバ選手とスペインのサラ・ソリベストルモ選手のペアと対戦しました。
問題となった事件は第2セットの加藤選手ペアが3－1とリードした第5ゲーム途中、サービスゲームである相手コートにボールを送ろうとしたボールがボールガールの頭に当たり、ボールガールが泣き出してしまったことが発端で起こりました。
このあと、加藤未唯選手はボールガールのところへ行き、直接謝罪しました。
そして、審判は加藤未唯選手に失格ではなく、「警告」を与えたところ、対戦相手のスペインのサラ・ソリベス・トルモ選手とチェコのマリー・ブズコバ選手がボールガールは泣いており、血も出ているとして審判へ抗議。
このあと、審判はボールガールと話し、加藤選手とスーチャディ選手を「失格」処分にしました。
悪いのは対戦相手？反応が物議を醸す
結局、加藤未唯選手とアルディラ・スーチャディ選手は失格3回戦敗退となりましたが、対戦相手だったブズコバとソリベストルモが不戦勝を狙ったとして批判が殺到しています。
というのは、全仏の審判ら関係者が協議を行い、失格の決定が必要であることに関係者が同意したように見えた瞬間、ブズコバとソリベストルモ氏がほくそ笑んでいる姿が見られたと写真付きの報道があり、このことが加藤組の失格が決定した直後に、まるで思いどおりとでも言いたげな不敵な笑みを浮かべて裁定を喜んでいるかのようだ、として炎上しているようです。
テニス界からは様々な立場の人たちから、対戦相手のブズコバとソリベストルモへの怒りのコメントが寄せられています。
カナダのテニス専門放送局で解説を務めるベン・ルイス氏は「ダブルスで不戦勝を断固として〝強要〟したブズコバとソリベストルモには正直、とても不快だ」と猛批判。そして「彼らは多くの敬意を失うだろうと想像している。本当にばかげている」と怒りを露わにして、今後２人がテニス界で針のむしろになると予想した。
東スポWEB
ツイッター中の海外ファンの間でも、このほくそ笑んでいるような場面が批判を浴びた。
実際の画像が拡散され、「このような不公平さに誰かが泣いているのを見て、嬉しそうですね」
「彼女たちが何に対して笑っているか分からない。分からないなら判断してはいけない」
「不愉快で、最もスポーツマンシップに反する！ 恥を知れ」
「このようなちんけなスポーツマンらしくない行動で、あなたは地に落ちた」
「彼女たちが次の試合で負けてブーイングを受けることを望む」
「品も敬意もない」「本当に反吐が出る」「2人とも恥を知れ」「女子テニスの最も恥ずべき顔」などと厳しい言葉が書き込まれていた。
THE ANSWER編集部
そんな批判も相次ぐ中、ブズコバの母国のチェコのメディアはブズコバのコメントを発表しました。
「その女の子（ボールガール）は泣いていたので痛かったのだろうし、それなりの衝撃はあったのだろう。
私たちはただ、審判に『何が起こったのか、よく見てほしい』と言いたかっただけです。
あの子はその後15分間、本当に泣いていた。
その後は彼に任せました」
「おそらく、それほど女の子が動揺していなければ、対戦相手（加藤組）は警告を受けるだけだったでしょう。
それは常に審判の判断次第だ」「あんなふうにコートを去るのは変な感じだから、居心地が悪かった。
観客も不満だったようですが、私たちだけのせいではありません」
BLESK．CZ
対戦相手のブズコバは自分たちの抗議のせいで加藤未唯選手ペアが失格になったわけではなく、あくまでもこの失格は審判の判断だったと言いたいようですね。
妥当？差別？全仏審判側の判断
一部報道によると、審判が加藤未唯選手に「警告」を与えた後、ブズコバ選手とソリベストルモ選手が、ボールガールが泣いていることやケガをしていることの深刻性を訴えたとされており、審判はこの抗議を受けたあと再度、加藤未唯選手に対し、「失格」を申し渡したとのことです。
審判が一度、「警告」とした判断を「失格」という厳格な判断に切り替えたことについても様々は意見があるようです。
あ
当たってしまった場面の動画を何回か見返すと、不思議に感じるのは、そんなに強く当たっていないのに泣き出していること。
もしかしたら、当たってしまったボール係自身にも精神的な何かがあるのかもしれない。
背景にあるのは欧米の深く根強い差別主義かな。
こういう場面で強く反論しないアジア系は不利な扱いを受けるのは変わっていない。
Yahoo!ニュース コメント欄
アジア人に対する差別的な考えが根底にあるのでは？と考察しているようですね。
悲しいことですが、まだまだ欧米諸国の間にはそのような考えが根強く残っているのかもしれませんね。
hk1*****
第三者の意見だが主審が警告を与えたのなら速やかに再開すべきだったと思う。
相手チームからのクレームに耳を貸し失格にした主審の権限・威厳は何処にいったのか？
ビデオを見ると穿った見方だが相手チーム選手が少女に泣くよう焚きつけているようにも見えなくもないように思える。
一度下されたものが覆るとは思えないがレアケースとして今後の対応のために加藤選手は一石を投じていいと思うが・・・
Yahoo!ニュース コメント欄
審判の威厳の無さもを指摘する声も。
たしかに、加藤未唯選手も意図的では無いにしろ、ボールガールにボールを当ててしまった事実はありますが、すぐに謝罪しているわけですし、審判は「警告」を与えたら、相手ペアの抗議など取り合わずにさっさと、ゲーム再開していればこんなに問題が大きくなることはなかったのではないかと思いますね。
加藤未唯選手が受けたペナルティ
加藤選手はTwitterで全仏から賞金とポイントの没収というペナルティを受けたことも伝えています。
今日の不幸な事故について、ボールガール、私のパートナーであるアルディラ＆チーム、そして私のサポーターに心からお詫びを申し上げます。それは完全に意図的ではありませんでした。その結果、私は RG から賞金とポイントを剥奪されるというペナルティを受けました。今後ともよろしくお願いいたします！
Twitter
没収された賞金の額は400万円以上だったそうです。
加藤未唯選手は本当に悔しかったでしょうね。
加藤未唯選手 全仏大会側に不服申し立て
この事件が起きた翌日の6月5日、加藤未唯選手は混合ダブルスに出場。
なんと！見事に勝利し全仏オープンミックスダブルス準決勝進出を果たしました。
そして、その際の記者会見上で今回の問題が失格理由になるほどの「危険行為」には当たらないとして、全仏大会側へ提訴したことを明らかにしました。
また、加藤未唯選手は強い球を当てたわけではないとの認識で、大会の運営責任者に動画の確認を求めたが「ビデオを見ることはできない。アンラッキーだったね」と突っぱねられたとのこと。
私も動画で当時の映像を確認しましたが、加藤未唯選手はいつもは両手バックハンドで打つところを、問題のボールを送る際には、軽く片手バックハンドで打っていますし、故意や悪意が無いことは明らかでした。
いまどき、動画がないなんてことにも全仏大会側への不信感が募ります。
全仏大会側には加藤未唯選手の主張を真摯に受け入れ、今回のことが「失格」になるほどの行為ではないことを認めてもらえることを祈ってやみません！
加藤未唯選手のコメント
皆様の今後とも変わらぬご支援に感謝申し上げます。私は世界中から溢れ出るポジティブなエネルギーを受け取っており、私の精神を非常に高めてくれました。これから混合ダブルスの準決勝に臨むので、そのポジティブなエネルギーをすべて使って成功させたいと思います！
Twitter
このツイートに世界中のファンから2023年6月6日現在で5000件近くの好意的なコメントが寄せられています。
今回の事件で加藤未唯選手は間違いなく、相当な精神的ダメージ、そして、ペナルティにより賞金はく奪という金銭的ダメージも受けているはずです。
それなのに、こんな素晴らしいコメントをできる加藤未唯選手を応援せずにはいられないですよね！
加藤未唯選手！今後の活躍を本当に期待しています！！
Cocoこのたった2日後に衝撃的な結末が待っていたなんて、だれも想像できなかったですよね。
Cat女史加藤未唯選手はこの全仏オープンテニスの混合ダブルスでなんと！優勝しちゃったんですから！！
Mr.Boa本当に感動しました！
加藤選手にとって、この騒動はつらい出来事だったと思いますが、
この事件が起きた背景には何があったのか、どんな見えない問題があるのかを世界中の人達が考えるきっかけを与えてくれました。
その意味では、この事件は意味があった出来事と言えるかもしれませんね。