2023年のプロ野球日本シリーズは関西対決となる阪神タイガースとオリックスバファローズの対決の可能性が急浮上、関西ダービー⁉と注目されています。
阪神・オリックス共に関西を拠点とするチームでありながら、人気度では阪神がオリックスを圧倒している感が強いですよね。
なぜ、こんなにも同じ関西の2チームの間に人気に差があるのか?
歴史的背景やそれぞれの本拠地やライバル関係も絡めて考察してみました!
阪神とオリックスに人気差があるのはなぜ?
両チームの歴史的背景や阪神とオリックスが本拠地とする地域が人気に与える影響と阪神VS巨人の関係も踏まえて、なぜ阪神がオリックスよりも人気があるのかを考察してみます。
阪神とオリックスの歴史的背景
両チームの歴史を振り返ると、阪神タイガースは1935年に創設され、プロ野球の黎明期から存在し、長い歴史と伝統を持つ球団です。
一方、オリックスバファローズにはルーツが2つあります。
一つは、阪急ブレーブスから始まり、オリックスブルーウェーブに続くルーツです。
2004年にこのオリックスブルーウェーブが2つ目のルーツとなる大阪近鉄バファローズと合併し、現在のオリックスバファローズが誕生しました。
本拠地の影響
阪神タイガースは、兵庫県西宮市にある阪神甲子園球場を本拠地としており、関西地方を中心に熱狂的なファンを持っています。
一方、オリックスバファローズは、大阪府大阪市西区にある京セラドーム大阪を本拠地としています。
オリックスバファローズは、長らく兵庫県の西宮球場を本拠地としていましたが、人気が上がらず、ついに1989年にオリックスに買収されました。
その後、神戸に移転しましたが、地域に根付くことはありませんでした。
2004年に大阪近鉄バファローズと合併し、メインの球場を大阪ドームに変更しました。
この合併劇により、兵庫県民から見ればオリックスが逃げた印象が残り、一方、大阪府民からはのこのこやってきた印象が残り、複雑な思いを抱かせたと言われています。
この経緯から、大阪でのオリックスの存在感が弱いと感じられているのかもしれません。
オリックスバッファローズが関西地方の中心である大阪に本拠地の球場があるにもかかわらず、阪神タイガースに比べて知名度や人気が劣る傾向があるのはこのあたりにも原因がありそうですね。
阪神が関西を代表する存在になった理由
阪神タイガースを語る上で、巨人VS阪神、ジャイアンツの存在も欠かせません。
阪神タイガースが巨人の向こうを張る存在となった理由は、その歴史に根ざしています。
阪神タイガースは、関西地方を中心に熱狂的なファンを持つ球団であり、関西のファンだけでなく、全国のアンチ巨人と言われる人々も含まれています。
このような状況から、阪神タイガースは巨大な人気を集めることとなりました。
1934年末に大日本野球倶楽部という大リーグ選抜と戦う球団が結成され、翌1936年に東京ジャイアンツに改名されました。
その後、同じ年に阪神のもととなる大阪野球倶楽部が発足し、球団名を大阪タイガースとしました。
この時点でのホーム球場は既に阪神甲子園球場(兵庫県)でしたが、当時は球団も立ち上げたばかりで、大阪府には球団は存在しませんでした。
しかし、大阪タイガースという球団名は、東京ジャイアンツに対しての西の都の意味で大阪を冠したものと考えられます。
これにより、阪神タイガース=大阪の球団というイメージが作られ、現在まで綿々と続いています。
以上のような歴史的背景から、阪神タイガースは巨人に対して強い対抗意識を持ち、関西地方を中心に多くのファンを魅了してきました。
また、関西地方以外でもアンチ巨人として応援する人々が存在し、これらの要素が阪神タイガースの人気をさらに高める一因となっていると考えられます。
オリックスは本当に人気がない?
ここまで、阪神の人気が圧倒的である理由をおつたえしてきましたが、オリックスバファローズが人気がないか?というと、そんなことはもちろんありません!
オリックスバファローズの観客動員数
昨年度(2022年)の阪神タイガースの総観客動員数は260万人を越えており、なんとプロ野球12球団の中でダントツのトップ。
それに対し、オリックスバファローズの総観客動員数は140万人強で阪神のおよそ半数でした。
しかし、オリックスの観客動員数について、こんな興味深いデータがあります。
オリックスがわずか2厘差で優勝を逃した2014年には前年から27万人増となり、170万3734人と大幅増を見せ、その後もコロナ禍が始まる前の2019年まで毎年、170万人台~160万人台まで安定した観客動員数をキープしています。
さらに!今年のオリックスの観客動員数は8月18日時点で165万1070人で、過去最多を記録した2016年と比べても過去最多ペースとなっています。(神戸新聞NEXTより https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202309/0016828187.shtml)
残り試合数を考えても観客動員数を更新することは間違いありません!
オリックスバファローズのオリ姫急増!
上記のオリックスバファローズの観客動員数増の一因として女性ファンを指す「オリ姫」が急増していることがあげられます。
観客動員数の増加について、球団の広報担当者は特に若い女性の割合が増えていることを指摘しています。
コロナ禍前の2019年には女性の来場者が全体の約25%でしたが、2022年には約30%に増加し、2023年の8月までには38.9%を占めるまでに成長しました。
特に20代の女性の来場者は昨年比で189%増加し、球団は魅力的なイベントや企画を通じて、女性ファンを呼び込むことに注力しています。
実際のオリックスの女性ファンのコメントを紹介します。
観戦に訪れた甲南大4年の女性(21)=大阪市北区=は「天然芝がきれいで、開放感があっていい。
花火も好き。もっと神戸での試合が増えてもいいのに」と話す。
さらに「オリックスは女の子の心をつかむのがうまい」。
球団の公式交流サイト(SNS)などをこまめにチェックし、「選手同士の仲の良さを知ることができて、より応援したくなる」と語った。
https://www.kobe-np.co.jp/news/society/202309/0016828187.shtml
オリックスファン獲得施策が確実に女性ファンの心をつかんでいることがわかります。
球団は女性ファンが楽しめるようなオリ姫が選ぶ人気投票の企画「オリメン」や「アイドル」をコンセプトにしたイベント「Bsオリ姫デー」を実施しました。
選手がアイドルに扮した画像がSNSで話題となり、球場はアイドルのコンサート会場のようでした。
選手たちのポスターグッズも大ヒットし、今季のグッズ売り上げは過去最高となりました。
また、選手が漫才コンビに扮したポスターも注目を集めています。
オリックスは大阪らしさを表現するために、「キングオブコンビ」という企画を打ち出し、選手たちはマイクを前にちょうネクタイ姿でポーズを決め、プレー時とのギャップが笑いを生み出しました。
たしかに、阪神タイガースに比べると知名度やメディア露出が低いため、オリックスの人気があまり注目されていないことも事実です。
しかし、以上の実例からも分かるように、オリックは実際には多くの人気を持つプロ野球チームであり、地元ファンだけではなく、全国にもファンを増やしていることがわかりますね!
まとめ
- 阪神とオリックスの人気差には複数の要因が絡んでいる。
- 阪神は長い歴史と伝統を持ち、その歴史的背景が人気に貢献している。
- 阪神と巨人のライバル関係もファンの支持を集めており、アンチ巨人の存在も阪神の人気に寄与している。
- オリックスは球団の統合と本拠地の移転が複雑な経緯を持ち、大阪での存在感が弱いと感じられている。
- 阪神タイガースとオリックスバファローズの人気差は、歴史、地理的要因、ライバル関係など、多くの要因が影響しており、それぞれのチームが独自の魅力を持っている。
- オリックスは阪神に人気度は劣るが、独自のファンサービスで若い女性をはじめ、確実にファンを増やしている。